今日(11月11日)の朝方、午前5時に目が覚めてしまう頃に見た夢のお話。

私はどうやら修学旅行のような旅行をしている。季節は秋だろう。場所は分からない。日本のどこか。私の夢の映像は、ホテルのロビーで始まった。
ホテルのロビー。そう、観光地にあるホテルのロビーだ。ソファーがあり、ちょっとしたテーブルがあり、壁はひんやりとした石のタイル。ありきたりな広間に、私は修学旅行のような旅行で到着した。後ろには同学の仲間がいるが、顔ははっきり分からない。
誰かの指示が飛んでくるわけではないが、各自まずはフロントでキーをもらい、部屋に荷物を置いてから夕食会場に集合するらしい。ただ誰もフロントに行かないので、私は仲間に「先に行くよ」と告げてキーをもらった。木製のプレートに金属のカギが付いている昔ながらのカギだ。3階が部屋らしい。
エレベーターで3階に行くと、ホテルがごちゃごちゃとしていることに気づく。3階は最上階。ホテルは横に長く、廊下は吹き抜けになっていて、左右にいろんなものが並んでいる。言ってしまえば、ショッピングモールのような造りだ。ただ、そんなに明るい雰囲気ではなく、赤茶けた絨毯が敷かれていて、照明はむしろ薄暗い。
吹き抜けの廊下伝いにあるのは客室の扉ではなく、いろんなギミックだ。子ども向けのお土産物屋があったり、飛行機のギャレーのようなスペースがあったり、唐突に浴場ののれんが表れたりする。ちょっと楽しい。私がそんな場所を寄り道しながら歩いていると、仲間たちが追いついてきた。「部屋に行かないといけないな」。そうごちてキーの言う部屋を目指す。
ずいぶんと歩いたのち、右手に部屋が表れた。宴会場の少し手前にある部屋だ。カギを回して入ると、そこは壁が一面、赤と焦げ茶の中間のような色をしている部屋だった。まるで廊下に敷かれていた絨毯を壁に貼ったみたいだ。冷静に考えると色がおかしいが、夢の中にいる私は気にしていない。
宴会場が近いのは幸いで、もう少し休めそうだ。荷物を置いてベッドに腰掛けると、不意にクローゼットのような扉から幽霊のようなもや(靄)の塊が出てきて、部屋の端っこに止まった。幽霊のような、というか幽霊だろう。私は興味が湧いてそれを見るが、塊は私に危害を加えるわけではなく、部屋の隅で佇んでいる。
「なんだ幽霊か」。この期に及んでも私は落ち着いている。「この時間にいるのはいいけど、夜になると嫌かもな」。そんなことを思ったので私は荷物を持ってフロントに戻り、「お化けが出るので部屋を代えてほしい」と話すと、「やはりそうですか」と言われて別のキーを渡された。キーが示すのはくだんの部屋の少し先。宴会場の真ん前にある部屋だった。
入ってみると、たしかに幽霊はいないようだった。壁の色はやはり赤茶けている。それは気にならなかったが、前の部屋に比べて狭く、ほとんどベッドしかない部屋だ。「幽霊が出ないなら別にいいか」。そう思ってベッドに座ったが、ここにきてようやく異変に気づいた。トイレもお風呂もない。ただベッドがあるだけだ。
「さっきの部屋はお風呂があったはずだけど。ここはシャワーもないの? 大浴場に行くのは嫌なんだけど」
私の声が漏れる。「どうしようか」。部屋をあとにし、もう一度フロントに行こうと歩き出す。私は迷う。幽霊と同居するか、幽霊がいないけれどシャワーもない部屋で過ごすか。「やはりそうですか」。フロントの言葉が蘇った。そして、目が覚めた。
