直近二つのグランツール、すなわちジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスはタデイ・ポガチャルの圧勝に、唖然とした表情で拍手を送るしかなかった。強かった。ただ、三つ目のグランツールとなる今大会(ブエルタ・ア・エスパーニャ)はポガチャルもいなければ、彼に最後まで抵抗したヨナス・ヴィンゲゴーとレムコ・エヴェネプールもいない。四天王で唯一参戦するのは、ツールで落車リタイアしたプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)のみ。彼はブエルタとの相性が良く過去に3度も制覇している。彼をも上回る神々たちがいないレースにおいて、有力な優勝候補だ。
グランツール=3週間のステージレースのこと。通常は全21ステージで行われ、途中で2度の休息日が入る。
地獄と配慮の3週間(全体プレビュー)
UAEチームエミレーツはアダム・イエーツとジョアン・アルメイダの2枚看板。それに若手の登竜門ツール・ド・ラヴニールの昨年大会覇者イサーク・デルトロが加わる。豪華な布陣だ。また、ブエルタ・ア・エスパーニャの昨年大会でロードレースファンを驚かす優勝を飾ったセップ・クスは今年、ヴィスマ・リースアバイクのエースナンバーで出場する。クライマー向けのブエルタでは彼の連覇も十分に可能性がある。
今大会はポルトガルの首都・リスボンでの個人タイムトライアルで開幕し、3日目まではポルトガル国内を走る。4日目にはスペインに入って南下し、第9ステージでは南部アンダルシア州グラナダへ。その後の休息日で空路にてスペイン北西部ガリシア州まで移動し、2週目以降は山岳が厳しくなる。大会全体を通して平坦ステージが1つしかない(第5ステージ。ただしフルフラットではない)という地獄模様だが、いろいろなものへの配慮から最終週(第16~21ステージ)がハイライトとは限らず、今年も2週目での走りが結果を左右しそうだ。
ブエルタは山岳のグランツールと言われるだけあって山が厳しい。そして初視聴の人は言わずもがな、ベテラン視聴者だって日々にクエスチョンマークを灯す国際映像(主にテロップ)とコース設定の混迷ぶりが、極東日本のテレビに大量のお茶を浴びせてきた(絶対にお茶を口に含んで見てはならない)。
主催者にとって、ありとあらゆる問題点を表立って指摘してきたエヴェネプールが不参加というのはありがたいかもしれない。もちろん笑いを取るくらいのこと――例えば時間差表示が違うとか、スプリントポイントの場所が異なるとか、違う人にリーダージャージーが手渡されるとか――であればいいが、根本的な安全対策だけはしっかりとお願いしたいものだ。
そんなこんなで、総合優勝(マイヨ・ロホという赤色のジャージー)はプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)を予想する。ヤングライダー賞はカルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ)、ポイント賞はワウト・ファンアールト(ヴィスマ・リースアバイク)、山岳賞はジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)、チーム総合優勝もUAEチームエミレーツだろう。
今大会もステージごとに予想を追加していくことにする。
1週目(ポルトガル区間)
第1ステージ

第2ステージ

第3ステージ

1週目(スペイン区間)
第4ステージ

第5ステージ

第6ステージ

第7ステージ

第8ステージ

第9ステージ

休息日(1回目)

2週目
第10ステージ

第11ステージ

第12ステージ

第13ステージ

第14ステージ

第15ステージ

休息日(2回目)

3週目
第16ステージ

第17ステージ

第18ステージ

第19ステージ

第20ステージ

第21ステージ

